はじめての海外ビジネス
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23話にも書きましたが、アジアの国々のワーカーは報酬やジョブホッピングなどに高い関心があります。そのため事あるごとに昇給の交渉をされることも少なくないようです。全ての要求をのむわけにはいきませんが、モチベーションの低下、引き抜きなどを防ぐため、ある程度の対応は必要です。同業他社の給与水準などを調査し適切な給料を設定したり、臨時の報奨金制度を作るなど、状況に応じて対応策を考えましょう。
業務内容と評価基準を明確に
アジアでは、他人の給料を気にする傾向が強く、安易な評価で昇給を決めていると、必ず不満が出てきます。そこで、業務内容を詳細に決めること、評価を点数制にして理由付けを明確にすること、採点者を複数としローカルの責任者も入れることの3点が重要となります。具体的には、給与の標準相場情報を入手し、ポジションごとの資格と給与水準を作成して、固定給与と実績に応じたボーナスの使い分けをしましょう。従業員との業務内容及び給与交渉の年1回の面談をお勧めします。給与のベースアップは最終手段に
海外では、同じ会社で定年まで勤めるという観念がなく、絶えず転職先を探す傾向にあります。ジョブホッピングを防ぐ方法のひとつに上げられる「昇給」には限界があります。対処法としては、「工場内にシャワールームを設け日本製の石鹸を置くなど福利厚生をよくする」「住宅地に工場を作り通勤に利便性を持たせる」「誕生日プレゼントや、家族ぐるみのスポーツ大会や社員旅行を開催する」などが挙げられます。とくに従業員の親御さんへの配慮は、有効な手段と言えるでしょう。製造商品の配送などがなければ、競合他社の少ない内陸部や地方への展開も視野に入れることをお勧めします。
このコラムを書いたのは
株式会社ありがとうバックナンバー
- 第1話 これからは海外
- 第2話 戦いのはじまり
- 第3話 アフロ、海外へ
- 第4話 固い決意!?
- 第5話 相談
- 第6話 エスダブリュービーエス
- 第7話 SWBSウェブサイト
- 第8話 ウェブで気楽に相談
- 第9話 海外ビジネスのコスト
- 第10話 SWBSのイベント
- 第11話 明確な目的
- 第12話 足元がお留守
- 第13話 国選び
- 第14話 意見収集
- 第15話 担当者選び
- 第16話 翻訳の落とし穴
- 第17話 適切な価格とスペックを見極めよう
- 第18話 流出に注意
- 第19話 展示会後
- 第20話 補助金
- 第21話 現地視察
- 第22話 投資歓迎=成功?
- 第23話 現地スタッフ採用
- 第24話 現地スタッフへの指示
- 第25話 海外の物流事情
- 第26話 現地での原料調達
- 第27話 法規制
- 第28話 文化の違いを理解しよう
- 第29話 環境規制
- 第30話 昇給希望への対応
- 第31話 日本方式は通用しない?
- 第32話 クビにできない!?
- 第33話 信用調査
- 第34話 賄賂はダメ!
- 第35話 宗教紛争
- 第36話 海外出張
- 第37話 インバウンド①
- 第38話 インバウンド②
- 第39話 インバウンド③
- 第40話 インバウンド④
- 第41話 越境EC ①
- 第42話 越境EC ②
- 第43話 越境EC ③
- 第44話 越境EC ④
- 第45話 輸出型進出
- 第46話 インコタームズ
- 第47話 その製品は一般的?
- 第48話 通訳の専門性
- 第49話 売買契約
- 第50話 決済の注意点
- 第51話 決済の注意点(為替変動)