はじめての海外ビジネス
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ベテラン社員が日本方式を押し付けたため、現地人のスタッフの理解を得られず孤立、うつ病になってしまった、という話があります。日本に戻そうにも代わりがいなく、かといって現地のスタッフも信用できず、身動きが取れなくなってしまったそうです。「これまで成功してきたやり方」に固執するとこのようになりかねません。現地の状況も考慮し、柔軟なやり方を模索できる担当者の方が現地赴任に向いているといえるでしょう。六三郎叔父さんは柔軟とはいえませんが、メンタルは強そうですね苦笑。
現地の人の理解と納得が大事
海外進出で日系企業がよく犯す過ちのひとつが、日本でうまくいったやり方をそのまま海外でもあてはめようとすることです。たとえば製造業の場合、日本の工場での生産や管理の方法が優れているのは確かです。だからと言って、それをそのまま押しつけるのは避けなければなりません。文化や習慣は国によって違うため、日本のやり方や管理の良さを残しつつ、その国の事情に合わせたやり方にすることが海外で成功するための大事なポイントです。その際、なぜ日本では細かいところまで気を配り、管理をするのかという理由を話し、それが顧客に対する心遣いや日本製品のよさにつながっていることをしっかり伝えて理解・納得してもらうようにしましょう。海外駐在に向いているのはどんな人?
駐在員の究極の仕事は、その国の人たちの持ち味をうまく取り込みながら、会社全体のパフォーマンスを上げることです。
そのためには、現地の人と良好なコミュニケーションが取れ、現地の状況に合わせた柔軟なやり方を考えることが出できる人が必要です。そして、現地の人のバイタリティに負けない気力や気迫、自分の言葉でビジョンを語り、リーダーシップが発揮できることも求められます。
このコラムを書いたのは
KPIマネジメント株式会社バックナンバー
- 第1話 これからは海外
- 第2話 戦いのはじまり
- 第3話 アフロ、海外へ
- 第4話 固い決意!?
- 第5話 相談
- 第6話 エスダブリュービーエス
- 第7話 SWBSウェブサイト
- 第8話 ウェブで気楽に相談
- 第9話 海外ビジネスのコスト
- 第10話 SWBSのイベント
- 第11話 明確な目的
- 第12話 足元がお留守
- 第13話 国選び
- 第14話 意見収集
- 第15話 担当者選び
- 第16話 翻訳の落とし穴
- 第17話 適切な価格とスペックを見極めよう
- 第18話 流出に注意
- 第19話 展示会後
- 第20話 補助金
- 第21話 現地視察
- 第22話 投資歓迎=成功?
- 第23話 現地スタッフ採用
- 第24話 現地スタッフへの指示
- 第25話 海外の物流事情
- 第26話 現地での原料調達
- 第27話 法規制
- 第28話 文化の違いを理解しよう
- 第29話 環境規制
- 第30話 昇給希望への対応
- 第31話 日本方式は通用しない?
- 第32話 クビにできない!?
- 第33話 信用調査
- 第34話 賄賂はダメ!
- 第35話 宗教紛争
- 第36話 海外出張
- 第37話 インバウンド①
- 第38話 インバウンド②
- 第39話 インバウンド③
- 第40話 インバウンド④
- 第41話 越境EC ①
- 第42話 越境EC ②
- 第43話 越境EC ③
- 第44話 越境EC ④
- 第45話 輸出型進出
- 第46話 インコタームズ
- 第47話 その製品は一般的?
- 第48話 通訳の専門性
- 第49話 売買契約
- 第50話 決済の注意点
- 第51話 決済の注意点(為替変動)