はじめての海外ビジネス
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海外で日本語が話せる方と出会うと心を許してしまうのは日本人の悲しい性でしょうか。現地人ばかりではなく海外で日本人にだまされた、という話はよく聞きます。海外企業から掛け金を取り損ねると回収は困難といわれていますので取引の前には十分な調査が必要です。「取引先からの紹介や社長の知人、ということで与信調査を省略した」―そうした過信が思わぬリスクに繋がるので気をつけましょう。また一度調査したら終わりではなく、長年の取引先であっても数年に1度は調査できるといいですね。
現地取引先企業の信用調査
信用取引上のリスク回避のために、とくに海外企業との取引では信用調査を行うことはビジネスの基本です。とくに下記のような場合は、契約を結ぶまでに取引先企業の実績をきちんと知っておく必要があります。①新規取引
②合弁など、企業間でのビジネスパートナーシップ締結
③企業間買収、競合調査
販路開拓において、海外企業と各種契約を結ぶ際には、相手企業や経営者の第一印象だけでなく、できるかぎり相手企業の客観的な信用調査を行うことが必須です。国によっては法律で開示制度があり、第三者でも現地の商務省などから会社登記謄本、財務諸表、株主構成など一定の情報を入手することが可能です。
また、信用調査会社などの専門家に依頼し、定量情報に加え、業界における位置づけや経営者の経営力などの定性情報分析を集めることも重要です。
ただし、国によっては、二重、三重の帳簿を作成している企業が多い場合があります。情報にも限界があるという点を踏まえ、自社で定期的に企業訪問をして調査するのも対策のひとつとなります。
契約時には、取引先に売れる与信限度額を定めておくのもよいでしょう。
このコラムを書いたのは
株式会社アークビジネスサーチバックナンバー
- 第1話 これからは海外
- 第2話 戦いのはじまり
- 第3話 アフロ、海外へ
- 第4話 固い決意!?
- 第5話 相談
- 第6話 エスダブリュービーエス
- 第7話 SWBSウェブサイト
- 第8話 ウェブで気楽に相談
- 第9話 海外ビジネスのコスト
- 第10話 SWBSのイベント
- 第11話 明確な目的
- 第12話 足元がお留守
- 第13話 国選び
- 第14話 意見収集
- 第15話 担当者選び
- 第16話 翻訳の落とし穴
- 第17話 適切な価格とスペックを見極めよう
- 第18話 流出に注意
- 第19話 展示会後
- 第20話 補助金
- 第21話 現地視察
- 第22話 投資歓迎=成功?
- 第23話 現地スタッフ採用
- 第24話 現地スタッフへの指示
- 第25話 海外の物流事情
- 第26話 現地での原料調達
- 第27話 法規制
- 第28話 文化の違いを理解しよう
- 第29話 環境規制
- 第30話 昇給希望への対応
- 第31話 日本方式は通用しない?
- 第32話 クビにできない!?
- 第33話 信用調査
- 第34話 賄賂はダメ!
- 第35話 宗教紛争
- 第36話 海外出張
- 第37話 インバウンド①
- 第38話 インバウンド②
- 第39話 インバウンド③
- 第40話 インバウンド④
- 第41話 越境EC ①
- 第42話 越境EC ②
- 第43話 越境EC ③
- 第44話 越境EC ④
- 第45話 輸出型進出
- 第46話 インコタームズ
- 第47話 その製品は一般的?
- 第48話 通訳の専門性
- 第49話 売買契約
- 第50話 決済の注意点
- 第51話 決済の注意点(為替変動)