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ジェヌインR&Dの海外展開ブログ


■中国越境ECにお金がかかる理由 その1■

2017年7月10日 14:16   8

 弊社のビジネスモデルが米国越境ECの海外進出ツールとして注目された理由は、中国越境ECの様々な動きがあったからです。ブログでは、何度かその一部をご紹介し、お問い合わせも頂きました。その中で特に、関心を頂いたのは、どうして中国の越境ECに高額な投資が必要になるのかということでした。費用はトータルで高額になるのですが、流れなどが断片的だったのでイメージが難しかったもしれません。
 米国だと、弁護士やそれらを通してのPL保険、事務所契約などの高額な法手続きがイメージ化されている方も多いと思います。
 一方、中国は大手企業の成功事例とその後の越境ECという規制緩和のタイミングの良さが功を奏して、それがビジネスチャンスとして認知されています。法的にもゆるい感じがあり、ニュースや様々な情報が日本でも溢れており、成功するイメージは誰でも抱くことができるでしょう。しかし、この時点で、ビジネスをスタートしようとする主役は、海外進出が初めての中小企業が中心でした。全てを詳しく解説することは難しいのですが、失敗した人のお話をつなげると、大体のプロセスは見えてきます。弊社PRも兼ねていますが、詳細は以下のようなプロセスだと思います。
 まず、想定としては、これから中国市場を目指す中小企業。商品は化粧品とします。情報として、EC売上では、1位か、2位が化粧品になっています。日本製品については、爆買いや日本品質による中国人の需要熱がニュースなどで報じられるので、中国市場のイメージが簡単に想像できます。しかし、この現象は、大手の化粧品会社の貢献によるものです。すでに何年も前から中国に進出して現地スタッフの採用経験も豊富です。中国法人化または合弁などを経験した彼らがECに出品すると、その売り上げは莫大で、売上の伸び率も、日本では考えられない程に伸びています。
 更に、データの後押しをしているのが、今の中国のECブームです。ちょっとした食事までECによるデリバリーが普通になっています。なんでもECでできるようにしているので、伸び率も、売上も、データの値は上がっていて、他の外国市場の比ではありません。そして、この最終統計が、中国EC市場が世界で第一位、市場伸び率第一位となっています。しかし、化粧品ということでは、少し前のデータになりますが、規模的には米国、中国、日本はそれほど違いがありません(ほぼ15%近辺でのシェア)。化粧品以外の製品が多く売れることでデータが上がるのです。データは分母との比率によって変わります。つまり、同じ市場シェアで大手が伸びているということは、ECでの大手の占有率が異常に高いことが想像できます。決して中小企業の新規参入が伸びているというデータではありません。
 しかし、国内販売不振に悩む、日本の中小企業は、中国を選びます。インバウンドでも、爆買いでも、データでも、目を引くものばかりです。しかし、これらの数字を作ったのは、中小企業ではありません。既に現地でビジネスを始めている大手がほとんどなのです。ですから、中国の卸業者が買い取りを条件として取引する場合は、日本のテレビなどでCMが打たれているものだけです。品質が良くても、無名の化粧品は決して受け入れてくれません。中国人は日本の情報を見ているので、一部の日本の製品を欲しがっているのですが、なぜか、ここは日本製品の品質だけが、ポジティブ変換され、「(大手のニセ物も多いので)本当の日本製の需要がある、欲しがっている」という情報に変わり、日本製品であれば、売れるハズに変わり、進出する話が進みます。
 もう1つの例として、数年前から大手の決算発表では、中国の売上が重要なファクターになっており、赤字の予定が中国の売上で黒字化した情報はネットでも見て取れます。中小企業も国内の市場規模が縮小していますから、大手が中国で成功しているなら、同じビジネスモデルになりうると思い検討が進みます。しかし、その売上は越境通販ではありません。インバウンドと中国での現地売りです。詳細を理解しないまま越境ECの話は進んで行きます。中国でも本来、認可が必要な化粧品をECなら個人輸入の形にして、そのまま輸出しても問題がない、日本から商品をEMSで送れるので、現地の面倒もない。この情報だけだと、大きなビジネスチャンスになるのです。米国ならFDAの認可とINCIコードの確認が必要で、非該当成分があれば、税関で返されるかもしれません。健康食品ならGMP工場の生産規定もあります。(但し、米国は手続きさえ全て押さえてしまえば、その後は以外と簡単な国なのです。)
 更に、規制緩和と程よいタイミングで、日本では、越境ECの補助金もあったので、市場的に中国以外の進出は考えにくかったでしょう。
 そして、中国での進出が始まります。まずは、コンサルへの相談からスタートします。宣伝告知、ホームページ、ツール、そしてその翻訳の提案があります。想定していた投資なので、依頼し費用を払います。コンサルには月額費用が発生するかもしれません。いろいろな市場情報を貰いながら、準備を進めていきます。この時点では恐らく数十万円程度です。
 しかし、次から、中国独自のシステムの話が出てきます。ホームページは出来上がりますが、海外決済なので、代引きは代金の紛失の可能性もあり、アリペイ(Alipay)などカード決済ができるものが安心できるので、決済パッケージがしっかりしたものが必要となり、ホームページを修正します。この独自決済は無料パッケージのものもありますが、ホームページに組み込むとこれだけで数十万円以上の費用がかかる場合があります。しかし、何とかサイトは出来上がり、公開日を迎えます。そして、この時期に、狡猾なコンサルからICPライセンスの話が出ます。
 ICPライセンスとは、中国の検閲制度のようなもので、中国人向けには、勝手にサイト公開や情報公開ができない仕組みがあり、中国政府には、ライセンスを取得して、ID番号のようなものを発行してもらうようです。許可番号がないとECサイトが強制的に閉じられてしまいます。違法サイトに該当するからです。更に、この取得には中国法人化が必要だったり、登録費用、認可取得までの固定費がケースバイケースで増えていきます。法人については、名義貸しなど恐らく様々な方法が取られるのではないでしょうか。安くてもグレーゾーンのリスクもあります。そして認可が下りるまで時間が掛かります。ひどい時は、6カ月から1年というのもあったそうです。ここまで来れば、行くしかありません。お金を払ってお願いします。中国企業とのアレンジを依頼して、認可を取得します。取得後は、1例ですが月10万円+αが毎月請求されてきます。コンサルを月額契約していると、そちらの費用も増えていきます。認可や立ち上げが遅れれば、様々な月額が、認可取得までに掛かり、ビジネス立ち上げまでに3カ月以内で終了することはほぼないようです。そして、何とかICPライセンスを発行してもらいホームページにも反映させます。これでスタート?
 ところが、出来上がったサイトを見てみます。すると、今度はホームページが動きません。日本では動いているのですが、中国では動いていないのです。クリックしてから、画面が変わるまで、何秒かしないと、次のページに移動しません。
 どうして…。なぜ、このような現象が起こるのでしょうか?
                           (…つづく)

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