SWBSは(独)中小機構が運営する海外ビジネス総合情報サイトです。

  • 登録企業数 637
  • 登録相談数 78
  • 登録イベント数 399
  • ブログ投稿数 430

一般社団法人 日中経済交流協会の海外展開ブログ


世界最大級!中国のネットセール・イベント「双11」ー2/2

2017年11月14日 12:55   9

前半( https://swbs.smrj.go.jp/myblog/14630/  )から続く

【消費者の声】

欲しかった物がオトクな金額で購入できる双11は、毎年多くの中国の消費者が楽しみにしています。実際、取引額が示すようにショッピングを楽しんだ消費者もたくさんいました。

しかし、今回の双11では、Tモール、京東などのネット通販プラットフォームが行った予約販売については、複雑で分かりにくいという不満の声も多く聞かれました。

2つ買うと○割引き、100元買うと○○元引き、といった内容で、日や時間によって割引サービスの方法がころころ変わり、有効期限が設定されている割引券の場合はせっかく時間をかけて商品を選んでも、いざ使おうとしたら期限が切れている、ということもあったようです。

あるネットショップでは、販売促進のために、10元の予約金を払った先着○○○人は、それを双11当日に50元券として使うことができ、○○○人に漏れても30元券として使えるという販売促進を実施しました。一見するととてもお得に感じますが、ちゃんと計算せずに飛びつき、予約金を払うと、決してお得な値段ではないことに後悔することもあります。

これまでの双11なら、事前に商品を買い物かごに入れておき、11日の午前0時になった瞬間に決済すればよく、希望の商品を買えるかどうかはネット速度と体力次第で、購入金額にも納得がいっていた人がほとんどでした。

ところが、予約金や割引を使う場合、本当にお得な買い物かどうかをしっかり計算する必要がありますが、ころころ変わる割引方法では、実際にはそれも至難の業。

今回の双11の割引サービスが複雑になっている一因は、低価格を掲げて、多くの消費者を引き付けるため、とも言われていますが、消費者の不満の声を受、来年の双11はどのようになるのでしょうか。

【出店企業の実情】

前述の通り、アリババが過去最高の売上を更新し、ネット通販2位の京東も取引額1000億元を超え(前年比50%増)という結果になりました。それだけ出店企業の商品が売れているということになるので、モール出店企業も満足しているかというと、必ずしもそうではなく、不安や悩みも垣間見えます。

実際の出店企業の声として聞くのが、出店により売上は上がるが、一方で多額のプロモーション費用などがかかり、利益はほとんどない、というものです。よほど商品力があり、何もしなくても消費者が買ってくれるものであれば別かもしれませんが、世界中から多くの商品が売られている状況では、ただ出店しているだけで売れるわけではありません。

また、双11での出品では、販売価格モール運営会社から相談されるケースもあります。「これは売れ筋で目玉商品だから○元で売ってほしい」「昨年は○元で売っていたから、今年も同じ価格にしてくれないか」といった感じで、必ずしも出店企業の希望売価になるとは限らないようです。

とはいえ、Tモールの場合は出店にはハードルが高く、誰でも出店できるわけではない分、消費者には選ばれた企業(一流ブランド)として認知してもらえる効果は期待できます。また、モールの売上や販売シェアでも圧倒的1位であることも事実で、単純に出店をしないことがベストとも言い切れません。モールとの付き合い方も、企業のおかれた状況や、今後の目指すべきところによって変わっていくのかもしれません。

【小売業以外にもビジネスチャンスを生む「双11」】

双11はモール運営会社や出店企業だけでなく、多くの業者にとっても大きなビジネスチャンスがあります。例えば、

●銀行-双11にカード限度額引き上げ

銀行も販売促進の一大決戦と捉え、さまざまな販売促進キャンペーンを打ち出しています。
銀行の多くは双11期間におけるカード利用限度額の一時引き上げを実施し、公式サイト、携帯電話のアプリケーション、微信(WeChat)のアカウントなどを通じてスピード申請を受け付けました。個人により条件は異なりますが、通常でも設定された限度額の2倍以上、中には3倍以上になるケースもあったようです。

その他、双11当日に、支付宝(アリペイ)、微信支付(ウィチャットペイメント)、京東、蘇寧などの第三者決済ルートを通じて同行のクレジットカードのメーンカードを利用すると普段の11倍のポイントが付与され、顧客一人あたりの付与の上限は10万ポイントという国有大手銀行も。

●配送-宅配便配送会社の上場が相次ぐ

双11のセールが定着し始めの頃は、爆発的な注文をさばくことができず、商品が届くまでにかなり時間がかかることも珍しくありませんでした。

その改善策として、物流業者は倉庫の拡張やビッグデータの活用など急ピッチで配送体制を整備し、昨年は1週間で7億8000万件の配送物を大きな遅延や混乱もなく、注文者に届けることができました。

今年の11月11日~16日の中国国内の荷物の取扱量は15億件(前年同期比35%増)に上ると見込まれますが、ロボットを使った無人の物流センターの導入による効率化や、数十万人の臨時宅配員による対応を行っています。

ネット通販業界の成長は、宅配便配送会社の業績にも大きく影響し、近年、宅配便配送会社の上場が相次いでいます。

毎年記録を更新し、成長を続ける双11。中国での販売を伸ばしたい日本企業にとっては、来年以降の動向も気になるところです。近年中国の流通業界にも様々な変化が出始めていて、いままでと同じようなビジネスの進め方では期待した成果が上がらない可能性もありますが、日本商品のニーズは間違いなくありますので、変化をチャンスとしてうまく生かせれば今後も楽しみですね。

参考になったらいいねボタンをクリックしてください。 9
※ブログ記事の内容は各執筆者の知見、経験等によるものであり、当サイトが情報の正確性、最新性を担保するものではございません。