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一般社団法人 日中経済交流協会の海外展開ブログ


中国財政省が187品目の関税引き下げを発表!その影響は?

2017年11月28日 10:42   12

中国財政省は11月24日、海外から輸入されている日用品など187品目の関税を12月1日から引き下げると発表しました。

対象商品は、化粧品、家電、衣料品、食品、健康補助食品、医薬品、娯楽製品など多岐に渡り、平均輸入関税が17.3%から7.7%に引き下げられます。訪日中国人に人気の乳幼児用紙おむつや粉ミルク、洗浄便座も含まれ、乳幼児用おむつに関しては現在7.5%の関税が0%になります。

中国財政省は今回の措置について、「国民の消費需要は増加の一途を辿っており、関税の引き下げにより消費者の国内での選択肢が増え、国内の供給システムの向上に寄与する」としています。

中国はこれまで海外で購入した商品を中国国内に持ち込む際の関税を引き上げる一方で、輸入品の関税を段階的に引き下げる措置が取られてきました。これは、「海外での爆買いを抑制」し、「中国国内の消費を呼び戻す」狙いがあるとされています。つまり、輸入品の中国国内での販売価格が下がれば消費者はその分商品を購入しやすくなり、結果消費支出の増加につなげる計画ということです。

中国はこれまで輸入拡大に向けて十分な措置を講じていないと他国から批判を受けてきましたが、今回の措置で輸入が増加すれば貿易収支の均衡にもつながります。また、中国ではインフラ投資や輸出に陰りが出てきており、継続した経済成長には個人消費の増大が必要不可欠で、海外にばかり金が落ちる現状に歯止めをかけることも期待されます。

では、日本企業に与える影響はどうでしょうか。

訪日中国人の消費動向に影響が出る可能性もありますが、中国国内の消費者は輸入品を安く購入できるようになり、日本企業の中国への輸出拡大も期待されます。

2015年の流行語大賞にも選ばれた「爆買い」は当時メディアを賑わせ、訪日中国人の消費動向に注目が集まりました。2015年の訪日中国人数は499,4万人で、一人当たりの買い物消費額は16,1973円、中国人総額では1兆4,174億円でした。

爆買いの終わりが囁かれ始めた2016年の訪日中国人数は637,3万人で一人当たりの買い物消費額は122,895円、中国人総額では1兆4,754億円でした。前年に比べ確かに一人当たりの買い物消費額こそ減少しましたが、総額では伸びていますし、他国・他地域に比べて圧倒的に買い物をしてます(2位の香港人の一人当たりの買い物消費額は62,389円で中国人の約半分)。

このように、いまだに多くの中国人が日本で買い物をしています。今後、中国と日本との商品の価格差が少なくなれば中国国内で購入する人も増える可能性はあります。しかし、中国政府は過去、銀聯カードの海外での使用限度額を設けたり、海外から帰国した旅行者のお土産などへの課税を徹底するなどして、海外での買い物を抑制しようとしたことはありますが、あまり効果を上げてはいないようです。今回の影響も限定的になるのではないでしょうか。

一方で、中国への輸出に関しては、日本企業には追い風になる可能性はあります。今回発表された187品目を取り扱っている日本企業にとっては中国への輸出がしやすくなり、中国国内での流通が広がることも期待できます。

ただ、中国国内で一般流通させるためには、化粧品や食品、健康補助食品などは中国衛生局への許認可申請(CFDA)が必要で、家電も3Ⅽが必要です。医薬品も薬事の関係で中国国内での販売は簡単ではありません。これらの商品で許認可を得ていない商品は一般流通ができませんが、現状で許認可を取得している中小企業はまだまだ多くはありませんから、大企業のほうが今回の措置の恩恵を受けやすいのかもしれません。

とはいえ、今後、中国市場での展開を本格的に目指す日本企業にとっては朗報であると思いますので、このような機会をうまく活かせればいいですね。

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