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中国EC事業の新展開~O2O戦略の行方~

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中国

2017年12月19日 12:02   8

「ネット」と「リアル」の融合-O2Oモデルへの転換

中国の商務部によると電子商取引の拡大や人件費の高騰によりリアル店舗の売上は縮小し、中国でトップ100の小売店の売上げは2016年に0.5%の減少となっているとのことです。

しかし電子商取引で中国最大手の阿里巴巴集団(以下、アリババ)は近年、順調であるネット通販事業に依存することなく、売上が減少しているリアル店舗も活用した新たなビジネスモデルの構築を図っているようです。

アリババは、2015年8月に家電量販店大手の蘇寧雲商集団(以下、蘇寧)と資本提携し、翌年6月には業務提携の発表も行いました。アリババと蘇寧の戦略発表会で蘇寧の張近東董事長は「両社の提携は王者連盟。消費市場に無限の可能性をもたらす」と語り、アリババの張勇最高経営責任者も「インターネットと伝統的な小売りの歴史的な融合だ」と応じました。

2016年6月時点で、中国のネット通販シェア約6割のアリババと、全国に2,700の店舗網を抱え実店舗の小売企業で売上高1位の蘇寧は、オンライン・オフライン合計で7億人超の会員を有すると言われていました。中国の人口の約半数が会員ということになりますので、驚きです。

2017年に入り、アリババは小売大手の百聯集団とも戦略的提携関係を結びました。この提携により、アリババは百聯が擁する百貨店やスーパーマーケットなど4,700箇所余りの実店舗を自社の事業ネットワークに取り込むことが可能となりました。アリババはこれまでに百貨店の銀泰商業、スーパーの三江購物とも提携関係を結んでおり、そのオフライン拠点数は約6,000箇所にも達する計算となります。

アリババの馬雲(ジャック・マー)主席は「電子商取引そのものが古い概念になりつつある」と過去にコメントしたことがあり、オンライン、オフライン、物流をすべて融合させたスタイルが、今後小売業界の一般的な形になっていくとの認識を示しました。実際に、提携した百聯集団は上海市政府系大型企業で、百貨店やスーパー、コンビニエンスストア、ショッピングモールなど各種小売業態を展開するほか、倉庫・物流事業も手がけています。

また、アリババは生鮮食品スーパーの「盒馬鮮生」にも出資し、新たな買い物体験を都市部の人に提供しようとしているようです。アリババは消費者の購入履歴や店舗への訪問時間などのデータを分析し、消費トレンドやその変化を予測しようとしています。データはお勧め商品や販売戦略に活用され、物流ネットワークの改善にも役立てられます。例えば、事前注文した商品を店舗で受け取れるようになったり、店舗内でアプリを通じて商品のお勧め情報を流し、購入したアイテムを顧客の自宅に30分以内に配達する試みなどで、顧客は買い物袋を持ち歩く必要がなくなります。

アリババのダニエル・チャンCEOは、「これから全く新しい買い物体験を構築していく」と言っています。アリババにとって今年は「新小売元年」という位置づけで、今後、「新たな小売業の在り方」を模索していくことになるようです。

では、アリババと提携した蘇寧の状況はどうなっているのでしょうか。

蘇寧といえば電子商取引ではアリババ、京東集団(以下、京東)に次ぐ3位グループになりますが、リアル店舗の展開では強みを持っています。その蘇寧は先日、2018年までにリアル店舗を5000店にまで増やす計画を発表しました。

もともとは家電量販店の蘇寧も、日本のヤマダ電機やビックカメラのように家電以外の商品販売にも力を入れていますし、現在は国際部も設立し、海外から日用品・生活雑貨などの商品調達も積極的に行っています。

上海市浦東にある蘇寧の店舗内には、オーストラリアのワインや食品、サプリメントなどを専門に扱うコーナーが設置されています。O2Oといわれるモデルで、Online(オフライン)からOffline(オフライン)に繋げるスキームになっています。

中国では化粧品や健康食品は実店舗で販売するためには衛生局の許可(CFDA)を得る必要がありますが、蘇寧のO2Oモデルでは、実店舗で商品を確認しEコマースで注文を行うため、保税区などを活用した販売が可能になり、CFDAの取得がなくても販売ができます。

販売者にとっては費用や手間がかかるCFDA申請の必要がなく、一方で消費者にとっても「実物を確認してから購入することができる」、また「何かあれば気軽にクレームをあげる先がある」ことも中国の購入障壁を低くするという効果も期待でき、中国人気質に合った販売方法といえます。

アリババもO2Oモデルを進化させていきたいという意向ではありますが、Online(オフライン)とOffline(オフライン)の双方向での相乗効果を強調している点で、蘇寧とはまた違った観点で動いているのかもしれません。

アリババ、蘇寧以外の企業でも「ネット」と「リアル」の融合に関して様々な動きがあり、日本商品を中国で販売したい企業にとって、各社の動向に注目したほうがよいかもしれません。

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