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(メディア掲載)【川崎大輔の流通大陸】台湾における中古車流通

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台湾

2017年12月23日 16:02   2

2017年9月に台湾を訪問し中古車流通を調査した。ネットワーク化された中古車ディーラーブランドが多く存在する。日本に比べるとまだ遅れているが、アセアン各国に比べると中古車流通が発展している市場だ。

<コラムURL>
https://response.jp/article/2017/10/30/301790.html

<コラム内容>
◆台湾の自動車市場について

台湾の2016年の新車販売台数は、約44万台。2016年の新車販売のうち輸入車は10%増加の17万台となっている。新車全体に占める輸入車の割合は約40%と高い比率になっている。魅力ある台湾生産車が少ないためか、各社とも輸入車を強化している。元高円安による日本輸入車の価格競争力向上や欧州高級車のエントリーモデル、小型車の発売で、輸入車の割合が増えてきている。

トヨタが人気で30%ほどの市場シェアを持っている。続いて日産、三菱がそれぞれ10%と続く。台湾の1,000人あたり保有台数は日本の約600台に対して約300台と半分。自動車の拡大の余地が残っている市場だ。

◆台湾における中古車市場の大きさ

台湾での中古車の年間の登録台数は66万台となっている。登録台数とは中古車の所有権登録の回数(新規登録・移転登録・名義変更の3業務合算の数)を指す。つまり、中古車登録台数は最終消費者であるエンドユーザーへの販売台数を表すものではない。そのため実際の中古車小売台数は名義変更回数の考慮が必要だ。

一般的に中古車は最終消費者であるエンドユーザーに届くまでの流通過程において、重複した名義変更がなされる。つまり中古車の登録台数とは、名義変更があるたびにカウントされ、実数よりも大きくなる。日本でも実際の中古車小売台数を正確に把握することは難しい。エンドユーザーへの販売台数は中古車登録台数の2分の1程度といわれている。

台湾も日本に準ずると仮定すれば、台湾の中古車市場規模は年間30万台程度となる。また今まで台湾では乗りつぶすような乗り方が多かったが、最近では5年から7年での乗り換えが増えてきたという。特に台北などの大都市では他の都市と比べ所得が高いため買い替え需要が増えてきている。台湾での中古車の発生台数は増加しており、中古車市場は拡大基調だ。

◆群雄割拠のネットワーク系中古車ディーラー

中古車の流通は、中古車ディーラー経由が最も多い。しかし、中古車ディーラーといっても同じ中古車店ブランドを掲げるネットワーク系ディーラーと、一般のディーラーの2種類に分かれる。台湾には2,000を超える中古車ディーラーがあるといわれているが、その半分以上がネットワーク系ディーラーだ。

代表的なものは、台湾の日産自動車のパートナーである裕隆汽車グループの「SAVE」、トヨタのパートナーである和泰汽車グループの「HOT」、三菱系グループの「SUM」、更に「CarOK」という4大中古車店ブランドがある。その他に各地域に独自のネットワーク系ディーラーが存在する。これらネットワーク系の背後には大企業などがついており、自動車ファイナンスや、整備、保証など自動車附帯ビジネスでも収益を得て運営をしている。

また、最近ではインターネットを通じた売買も増えてきている。台湾で最大のウェブサイトは「8891.com」と呼ばれる中古車プラットフォームだ。現在、約3万台が登録されている。ウェブでチェックした後に中古車ディーラーに直接足を運び、現車をみて購入をする。更に、道路脇(わき)で個人が販売している個人業者や、友人・親戚(しんせき)同士での個人間売買などの流通も存在する。

◆中古車市場の課題は?

中古車の高齢化が、台湾の中古車市場が直面する課題の1つとなっている。台湾の道路総局によれば、台湾の中古車保有台数は約630万台。市場で流通している中古車の57%が10年以上の高齢車両となっている。3年から7年の車両が38%、3年以下の若い車齢の車はわずか5%。

また、「オークションビジネスがまだ流通の中心になっておらず、程度が悪い車がオークションに出品されている。正しい競りの場として捉(とら)えられていない」(業界関係者)。オークションが流通の場とならず、中古車の市場価格が不透明だ。現在の台湾は中古車の価格が高値で止まっている。また、オークション査定されないためメーター巻き戻しや修復歴不明の車が多く中古車の安心を担保できるものがない。

一方、日本の中古車流通も似たような時代があった。そして時代とともに課題を解決し変化してきた。台湾の中古車市場は、アセアン各国に比べ最も早く日本の変化をたどっていく。そう考えると、日本の企業は台湾の将来を見通せる優位な立ち位置にいる。ただし、注意しなくてはいけないのは、台湾がこれから日本の水準になるまでのスピード感は非常に早いということ。台湾の進出に躊躇(ちゅうちょ)していると、すぐに市場はなくなってしまう。今まで以上にスピーディーな意思決定が日系企業のアセアン進出には求められることになるだろう。

<川崎大輔 プロフィール>
大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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