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(メディア掲載)【川崎大輔の流通大陸】タイ人の手で、タイ板金塗装業界に革命

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2017年12月23日 16:19   2

2016年3月にカーコンタイ1号店がグランドオープンしてから1年以上がたった。日系の鈑金塗装会社がタイで1年ビジネスを行う中で見えてきた課題、そしてこれからの展望を現地責任者である村松氏に語ってもらった。

<コラムURL>
https://response.jp/article/2017/06/26/296586.html

<コラム内容>
◆進出の理由は技能実習生、循環型ビジネスの構築

カーコンがタイへ進出した大きな理由は、外国人技能実習生の受け皿構築のためである。当初、カーコンが技能実習制度を活用したのは、若手人材が不足する日本のカーコン加盟店へ人材を提供することが目的であった。しかし、実習期間は3年という制限付きであるため、3年後に帰国する実習生が増えいった。しかし、帰国した実習生はせっかく学んだ日本語や鈑金塗装の技術を活(い)かすことなく他(ほか)の職種に就くことが多い。

祖国タイに戻ってから、実習生の将来の道筋を描けるような出口として直営店運営を考えた。それがタイ進出のきっかけとなった。日本と変わらない品質レベルの鈑金、塗装、コーティング等の車の整備鈑金のサービスを、日本で技術を学んだタイ人が提供する。2016年からカーコンの技能実習生を活用した循環型ビジネスがスタートした。

◆課題が残されているタイ鈑金塗装業界

鈑金塗装(BP)を行う会社は大小合わせタイ全体で約6500社登録されている。しかしほとんどが保険会社からの入庫中心のビジネスを行っている。業界の課題として保険修理金額の低さがタイ全体の修理品質を下げているとの指摘がある。「支払い修理工賃が安ければ、受け入れ業者は価格の安い自動車部品を使うしかない。それによって品質の低下や修理後のトラブルなどもでる。適正な価格へと見直しをかけてほしい」(タイ整備会社の経営者)。今のタイBPは安かろう悪かろうの業界である。

更に、業界内の部品供給が課題となっているようだ。カーコンタイの村松氏は「ディーラーや保険会社が優先されていて、大規模ではないBP事業者には品質が悪い中古部品が届くこともあります。新品でも納期がわからなく、何回催促してもなかなか納品されないなどの壁を感じることがよくあります」と語った。BPを利用した顧客からは「見積書がないのでサービス金額がよくわからない。それに、いつ出来上がるかわからなくて出来上がりの電話をずっと待つしかない」(バンコクの男性会社員)。こういった業界の課題以外にもカーコンとして、接客・修理技術において、タイスタンダードではなく日本スタンダードにしていくという課題も残されている。

◆差別化は日本スタンダードの徹底

「タイはまだまだ大きな可能性を秘めていると思います。日本でも我々カーコンビニクラブの立ち上げ当初はBP業界に革命が起きました。今、また同じようにタイの自動車業界においても革命を起こせると感じています」(村松氏)。

タイの新車ディーラーでも3日ほどかかる作業が、カーコンは日本から持ち込んだ独自の鈑金工法を使って1日で出来上がる。作業が終わる日にちを自ら確約してしまうクイックBPは他社との大きな差別化だ。クイックBPによって更なる商品提案を行える。1回の仕事をいただくのではなく車全体を見るカウンセリング商談を行って「今日中に直りますよ」という提案での受注を増やしていく。その提案は目に見える形での明朗会計で行っている。このように日本で積み上げてきたノウハウを共有して、日本スタンダードをタイでも徹底していく。

◆2017年中に4か所オープン

村松氏は「将来的には保険や車販、整備などすべてワンストップで行える、まさに名前の通り車のコンビニになりたいです。タイ人スタッフの教育を行いながら、彼らと協力して迅速でお待たせしない、どこよりも価値が高い、すべてにおいて高品質、という企業理念に基づいたサービスの提供を実現していきたいです」と語った。年内に4か所でフランチャイズ店舗のオープンを計画している。これらの中心を担うのが、日本で技術を学んで帰国したタイ人だ。

日本の整備、鈑金塗装業界は人材不足に悩んでいる。技能実習制度の重要性がこれから増えるだろう。日本で整備の技術や技能、知識を学んだ人材が、帰国してからも活躍できるようなこのような「循環システム」を作ることが、日本の整備企業だけでなくアセアンの整備業界を救うことになるといっても過言ではない。タイの鈑金塗装業界に革命を起こす中心を担うのは、日本から帰国したタイ人になるだろう。

タイ人は、テレビ、クーラー、自動車などすべてを手に入れてしまった日本とは対照的に、もっとよい生活をしたいという強い思いを持っている。このようなハングリー精神が人や経済を急成長させる原動力になっていることは間違いない。カーコンタイで働くタイ人が私に「タイでたくさんの車を直していきたい」と夢を語ってくれた。昔の日本がたどったスピードより速いスピードでタイの鈑金塗装業界は成長を遂げていく可能性がある。そこがタイの大きな魅力となっている。

<川崎大輔 プロフィール>
大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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