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(メディア掲載)【川崎大輔の流通大陸】マレーシア、中古車検査で業界の活性化となるか

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2017年12月25日 10:41   3

【川崎大輔の流通大陸】にて、今回はマレーシアにおける中古車査定検査について、記事を書かせて頂きました。日本では一般的な自動車の査定ですが、アセアンでは査定基準どころか、走行距離や事故歴などもはっきり記録されていません。そのため、中古車を購入するにあたり、大きな不安とリスクがつきまとっています。中古車査定はこれからのアセアンでの重要な自動車アフターマーケットビジネスになっていくものと思っています。今回はマレーシアで中古車検査ビジネスをスタートした株式会社オークネット。現在の取り組みについてオークネット(マレーシア)の担当者に話を聞きました。

<コラムURL>
https://response.jp/article/2017/12/25/304129.html

<コラム内容>

◆マレーシアで検査ビジネスに参入

マレーシア現地企業とオークネットがマレーシアで立ち上げた合弁会社がオークネーションシナジー(AucNation Synergy BHD)だ。オークネーションシナジーを通じてオークネットは2016年からマレーシア人に現地の市場に合わせた検査技術の研修を行い、マレーシア国内に配慮した検査員が誕生した。2017年、日本の検査項目をベースにして作り上げた基準を用い、マレーシアで中古車検査ビジネスをスタート。タブレットを活用した検査が行われ、ウェブ上で結果を確認し検査報告書(Vehicle Inspection Report)をダウンロードすることもできる。

現在は一般中古車ディーラーに対して中古車検査(車両品質検査)を行っている。第3者の検査が行われることで、ユーザーに安心して中古車を購入してもらえるようになる。一般の中古車ディーラー以外にはメーカー認定中古車ディーラー、自動車ファイナンス会社などが第3者検査の対象となる。将来的には一般ユーザーからの依頼もくるだろう。検査ビジネスだけでなく、メーカーや大手自動車関連企業への中古車検査研修ビジネスも行うことで、更なる収益軸の構築と、中古車検査(車両品質検査)の認知拡大を目指している。

◆マレーシアの中古車市場は?

マレーシアには中古車市場規模の統計データがないため正確な数字はわかっていないが、マレーシア国産メーカーでのヒアリングによれば、中古車の年間登録台数は新車販売台数(約60万台)の約80%(=50万台ほど)と見積もられている。登録(名義変更)は、エンドユーザーに届くまでに平均1.5~2回行われており、実際の中古車小売り台数は、およそ25万台前後と推測される。

マレーシアにおける中古車の流通は、新車ディーラー、オークション、中古車販売店の3つの流通経路で取引が行われている。

新車ディーラーはまだ販売規模が少なく積極的な中古車の小売りは行っていない。新車の乗り換えとして手に入れた中古車は中古車販売店へ卸売りをしている状況だ。現地のディーラーへのヒアリングでは小売り:卸売り=1:9であった。一方で自動車メーカーとしてトヨタが2000年に“Top Mark”という認定中古車のブランドを立ち上げ、2012年にプロドゥア(PERODUA)が2番目のメーカー認定中古車制度を立ち上げている。

オークションについては確認できている範囲になるがクアラルンプール周辺で定期開催しているのが数会場ほどで1開催100~200台が取引されている。ほとんどが自動車ファイナンス会社から出た差し押さえの中古車だ。エンドユーザー同士での個人間取引もネットサイトやこのようなオークションを通じて行われている。

中古車販売店はマレーシア中古車流通市場のメインプレーヤーであり5000か所ほどあるのではないかと言われている。エンドユーザーへの小売りがメインとなるが、他(ほか)の中古車販売店に対しての卸売りも行っている。一般ユーザーやオークションからの仕入れ、中古車販売店同士の中古車交換もあるが、多くは新車ディーラーからの仕入れとなっている。

中古車販売店の集客は、中古車サイトが多く利用されている。中古車を購入したいエンドユーザーもネット、雑誌などで興味がある中古車を確認した後、中古車販売店で現車を確認し購入するというステップを踏んでいる。そのためマレーシアの中古車サイトは群雄割拠。他(ほか)のアジア諸国に比べて数多くの自動車サイトがマレーシア各地に勢力を張ってお互いに競い合っている状況だ。

現在、日本では、中古車サイトに掲載されている中古車にオークネットの関連会社が提供する第3者の検査が提供されている。日本の2大中古車サイトでは両方とも検査付与率は20%となっている。マレーシアにおいても中古車サイトでの掲載台数が増えていくことによって、検査需要の可能性は広がるのではないか。

◆マレーシアの中古車検査(車両品質検査)市場の展望

マレーシアで中古車検査・査定は注目され始めている。以前は「検査をするとその中古車の良しあしがわかってしまうから検査はいらない。」というような業者もいた。しかし今では現地政府機関であるMAI(自動車研究所)が中古車の業界発展に注力し始め、その業界発展の一環としてオークネーションの検査をMAIがサポートしている状況だ。

確かに1990年頃(ごろ)までの日本の中古車市場も、修復歴などの情報だけでなく店頭価格も非表示。中古車販売店は客を見て販売価格を決める売り手優位の市場であった。買い手(ユーザー)としては、詳しくなければボッタクリにあった。しかし、オークション価格の公開などの公正な価格情報、更に中古車買い取り専門店の出現によって均一的な査定方法ができた。このような公正な情報と査定検査が中古車選びを変え、日本の中古車市場は拡大していった。

オークネットのマレーシア担当者は「日本と同様にモータリゼーションが進むと更に中古車検査需要が増えてくる」と語る。オークネットのマレーシアでの取り組みは、中古車を購入するエンドユーザーに安心して購入してもらえるように、中古車検査のマーケットを作り上げている。

日本が辿ってきた道をマレーシアも将来的に辿ることになると考えれば、日系企業はマレーシアにおける自動車ビジネスにおいて優位な立ち位置にいる。そのことをもっと日本企業は認識することが重要だ。課題解決国として海外ビジネスに積極的に関(かか)わっていくことが更なる企業の成長につながる。

<川崎大輔 プロフィール>
大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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