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(メディア掲載)【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット】アセアントップの中古車部品市場、マレーシア

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マレーシア

2017年12月27日 08:14   5

2017年7月25日発行の、業界最大誌「整備戦略」(日刊自動車新聞社発行)に掲載されました。マレーシアの自動車中古部品の現地市場の情報を書かせて頂きました。

【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット】アセアントップの中古車部品市場、マレーシア

自動車の整備には部品流通が不可欠だ。特に海外では部品が不足している。日本製中古部品という高い国際競争力と品質をうまく活用することで、さらなる大きな産業へ発展する可能性がある中古部品産業。重要な国際流通を担うマレーシアの中古部品ビジネスを探る。

◆日本製中古部品市場のハブ、マレーシア

マレーシアで最も大きな中古車部品集積地であるクランに初めて足を踏み入れた人は、道の両脇に騒然と山積みされた自動車のエンジン、ハーフカット、ノーズカットの景観に圧倒される。大きなコンテナを積んだトラックがすごい音を立てながらまるで恐竜のように走り抜けていく。

マレーシアはアセアン最大の自動車中古部品市場だ。日本から輸入されたこれら中古車部品が、ハブであるマレーシアに集約されたあと、世界各国へ再輸出されている。

マレーシア自動車リサイクル協会(MAARA)のデータによれば、日本からの中古車部品輸入が80%以上を占めている。日本で発生した中古部品は走行距離や使用年数が少ない。「中国製の新品部品はすぐに壊れるけれど、日本製は中古でも壊れることがないから安心だ」(マレーシアの男性会社員)。

日本は優良な中古部品発祥地という世界共通の認識があり、日本からの輸入比率が高い。取り扱われる中古部品は、ハーフカット、ノーズカットも多いが、主要中古部品であるエンジン、変換機に次いでオルタネータ、スタータの比率が高い。足回り系の部品以上にモーター系が多い。現地では、日本での引き渡し時からみて1.5~3倍程度で販売されている。すべてが、マレーシア国内で流通されるわけではない。「マレーシア国内向けだと高年式のリコンカー向け補修部品、ダイハツや三菱の低年式の補修部品が需要としてあるが全体のわずか20%ほどで、残りは海外へ再輸出される」と地元マレーシア部品商の経営者は指摘する。

再輸出先としてはタイ、ミャンマー、パキスタン、UAE(シャルジャ)、南アフリカ、ナイジェリアなどアジア近隣諸国、中東、アフリカを中心に輸出されている。一方、UAE(シャルジャ)、南アフリカ、ナイジェリアは更なる再輸出拠点で、アフリカ諸国へと再々輸出されることも多い。

マレーシアが大きな再輸出拠点のハブになっている理由は、アフリカや中東などの中間に位置している地理的要因がある。また、アセアン諸国の中でのムスリム(イスラム教徒)国といった理由がある。アフリカや中東に住むムスリムにとって食事(ハラル)やモスクなどに十分に対応できるため、中古部品のハブとして確固たる地位を築いた。

◆マレーシアで存在感を放つ日系中古部品企業、CRSマレーシア

撤退したところもあるが、現在マレーシアには7社の日系中古部品企業が進出している。日本企業で初めてマレーシアに進出したのがCRSマレーシアだ。(株)CRS埼玉のマレーシア法人として2008年にマレーシアに進出している。マレーシアで中古部品ビジネスを行う魅力は「多くの中古部品の在庫がここに集まっていて、欲しい部品を同じ場所で見つけやすいという点から世界中から人が集まることでしょうね。」(CRSマレーシアダイレクター内野氏)。

CRSマレーシアの中古部品置き場に初めて入ると規模の大きさと部品の量に驚く。2エーカー(約8000平方メートル)の広い敷地内に鉄屑がずらっと並ぶ。バイヤーからみれば鉄屑ではない。「様々な部品が日本から直接送られてきて、目移りする。宝の山のようだ」(外国籍のバイヤー)。

私がCRSマレーシアを訪問した時は、ナイジェリア人やパキスタン人、マレーシア人のバイヤーたちが、中古部品置き場をブラブラ歩きながら物色をしていた。マレーシアで購入した中古部品を自国の業者へ販売するブローカーの役割を果たしている。コンテナが日本から届いて、コンテナの扉が開いた瞬間を狙うため1日中部品置き場に滞在しており、CRSの従業員だかわからなくなるような業者もいると聞く。

◆これからの日本製中古部品産業の可能性

CRSマレーシアの1つの強みとしては、親会社のCRS埼玉から安定した日本からの中古部品を確保できる体制が構築されているところにある。「中古部品業界では仕入れが最も重要です」(CRS埼玉トレーディング部の宮下部長)。さらに「進出当時は日本ブランドでやっていましたが、今は、在庫をできるだけ持たず回転率をあげて、新しい商品をどんどん揃えるというのが差別化になっています」と指摘する。

中古部品産業は、CRSマレーシアのようなグローバルな視野に立った中古部品流通を再構築していくことでさらに大きな産業へと発展を遂げる可能性を持っている。

中古部品の流通に関する情報の蓄積は十分ではなく課題も多く残されている。また、外部環境の変化により流通携帯が変化する可能性もあるだろう。しかし日本は、日本メーカーの努力による高い国際競争力と品質によって、世界でも認められた中古部品の発祥地であることに変わりはない。日本のアフタービジネスの1つとして、世界に誇れる日本の産業となる大きな可能性を持ったアフタービジネスが中古車部品ビジネスだ。

<川崎大輔 プロフィール>

大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年より自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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