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(メディア掲載)【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット】タイの鈑金塗装業界に進出した日系企業

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タイ

2017年12月28日 09:13   7

2017年9月25日発行の、業界最大誌「整備戦略」(日刊自動車新聞社発行)に掲載されました。日本でも全国に多くの店舗を展開しているカーコンビニ倶楽部がタイに進出。タイの現地人材をうまく活用した理想的な進出の仕方をしています。タイ進出についての日系企業の恒例として情報を書かせて頂きました。

【川崎大輔がみるアセアンアフターマーケット】タイの鈑金塗装業界に進出した日系企業

2017年7月、東京にあるカーコンビニ倶楽部本社を訪問した。自動車鈑金塗装ビジネスでタイに進出したきっかけと、今後の展望について林社長に話を聞いた。

◆最初の海外進出国がタイ

日本で車の修理、塗装、車検などカーメンテンスを行うカーコンビニ倶楽部。全国で1000店舗以上のフランチャイズ店を展開している。タイの大手商社企業、商社のロクスレー(LOXLEY)と合弁会社を設立。2016年3月18日にタイ進出1号店として「カーコンタイ」を首都バンコクのラマ三世通りにオープンした。

タイ進出の決定的な理由は、「タイでは政府が2012年に優遇税制をやって自動車政策を積極的に活用したので、きれいな車が非常に多くなりました。将来、タイの(自動車)アフターの発展が予測できたことです」(林社長)。さらに「非常に親日的な国だということも理由の1つ」と語った。

タイでは自動車板金塗装(BP)を行う会社は大小合わせ約6500社登録されている。バンコクで見れば1560社ほど。ディーラーに併設されているBPもあるが、ほとんどが道端にある小さなパパママ店か、登録だけの稼働していないBPといわれている。いまだ安かろう悪かろうで顧客が集まってきている業界。カーコンタイは日本の高い品質を武器に新規参入した。

◆日本国内での整備人材不足がタイ進出のきっかけ

カーコンタイでは技能実習生として日本で3年間の日本語やBPの研修を終えたタイ人が5名働いている。「自分は車が好きです。カーコンで習った技術を生かして(将来)お店を作りたいです」(タイ人スタッフ)。

カーコンはタイ人の研修を5年前から日本で始めている。元々はタイ進出のための人材確保が目的ではなかった。当初の目的は、若手人材が不足する日本のカーコン加盟店へ人材を提供することであった。一方でタイ人の日本での実習期間は3年間のみという期限があり、3年後に帰国する必要がある。徐々に帰国する実習生が増えていった。祖国に帰ったタイ人は仕事がなく、十分に習得した技術をいかせなかった。それがカーコンの海外進出のきっかけとなった。

林社長は「帰ったタイ人の仕事をする場所を提供しないと、本当の人材交流にならない」と指摘する。コスト削減を目的に技能実習制度が活用される場合も多い。しかし、カーコンは、タイの人材を安い労働力として見なさなかった。

タイで直接カーコンのビジネスを指揮する川口執行役員は「現在、日本国内のFC加盟店で、120名ほどタイ人技能実習生の受け入れを行っています。彼らの帰国後、カーコン(タイ)で働くのか、自らタイで起業をするのか。もしくは現在日本でタイ人を受け入れている加盟店がタイでカーコンをやって行くことになった時の責任者としてくるのか。たくさんの選択肢があります」と語った。

◆2020年、FC100店舗へ展開

2017年に現地企業との提携で、4か所のフランチャイズ(FC)店舗オープンを計画している。日本ではカーコンのブランドが先行している部分があるが、タイでは全く異なる。「タイの場合は、技術の部分にメリットを感じてくれている、技術を取り入れたいからフランチャイズになってくれる」(川口執行役員)。

カーコン工法という特殊な工具で車のへこんだ部分を取り出す独自の鈑金方法がある。仕上がりの品質の高さだけでなく、作業時間の大幅な削減を実現できる。「車体を引っ張る工具や備品があることで修理が早くなる、タイでは今まで見たことのないのですごいと思った」(FC加盟予定のタイ人オーナー)。

タイでの展開は、革新を繰り返してきたジャパンクオリティーを武器に、資産を持たないFC展開を考えている。目標は2020年までに100店舗だ。第1フェーズは2017年に大型FC店舗をオープンさせる。第2フェーズでFC展開を加速させる。これらは小型店舗を想定しておりガソリンスタンドなどとのタイアップを進めている。第3フェーズではタイに戻って働いている元実習生によるFC展開、第4フェーズで他国への横展開を検討している。すでにベトナムなどが候補としてあがっている。

林社長は「カーコンの技術はタイでは大きな技術革新になる」と指摘する。タイ人は新しいものを貪欲に取り入れて行きたいという気質を持っている。そのことはカーコンのタイビジネス展開にとって追い風になるだろう。

◆ 長期的視点が重要、海外ビジネス

人の育成には時間が必要だ。カーコンは、タイの北部チェンライに実習生の研修施設として日本語学校、と基本的なカーコン技術を学べる研修所をつくった。研修所の先生も、3年間日本に行っていたタイ人が技術を教える。「日本とタイの両方が、人を通じて発展していく。何をするにも人が中心です」(林社長)。さらに「収益に繋がるのは6年、7年後です。海外ビジネスで急いで物事を進めていくと失敗確率が高くなります」と指摘する。タイの鈑金塗装業界に革命を起こす中心を担うのは、日本から帰国したタイ人になるだろう。

日本の自動車板金塗装業界の将来は厳しい。日本だけでビジネスをやるのではなく、グローバルな市場で収益を確保する必要がある。アセアン人材を活用していくことは日本の整備、板金塗装業界の人材不足解決だけでなく、アセアン市場における収益獲得への近道となる。それだけでなく、アセアンの整備、板金塗装業界の活性化への第1歩といっても過言ではない。

<川崎大輔 プロフィール>
大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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