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中国で日本酒が人気上昇中!消費拡大の理由とは?

ノウハウ
販路開拓
中国

2018年5月15日 09:30   5

2017年の日本酒輸出額は過去最高を更新し、海外での日本酒人気は揺るぎないものになりつつあります。なかでも伸び率が高いのは中国。日本食ブームや訪日観光客の増加にともない、「本物の日本酒」の味を知ったことも人気の理由となっています。中国における日本酒の消費動向とともに、日本の酒蔵の取り組みを紹介します。

日本酒の輸出額増加をけん引する中国

財務省の貿易統計によれば、2017年の日本酒の輸出総額は186億円を突破、過去最高を記録しています。これを国別で見ていくと、32.3%のシェアとなっている米国が1位ですが、2~5位は、香港15.0%、中国14.2%、韓国10.0%、台湾5.1%となっており、とくに中国の伸長が目立っています。

中国への輸出金額は約12億円で、前年比83.5%の伸びを記録。中国のインターネット検索サービス「百度(Baidu)」によれば、2017年の日本食関連の検索キーワードでもっとも多く使われたキーワードが「日本酒」となるなど、注目の高さがうかがえます。訪日中国人の爆買いブームは収まったといわれますが、「久保田」や「獺祭」などの有名銘柄を大量購入する動きは健在で、日本酒ブームが続いていることを裏付けています。

これまで中国における日本酒といえば、「飲み放題の飲食店に置かれている安い酒」というイメージがありましたが、今では「贈答品にも使われる高級酒」に変化しつつあります。スーパーで手頃な価格の日本酒が販売される一方で、百貨店では酒器がセットになった高級品も売れるようになっており、日本酒への評価は高まっているといえるでしょう。

日本食ブームが影響。今や家庭でも食べられる味

中国での日本酒ブームを後押ししているのが、世界各国で増加している日本食レストランです。外務省調査によれば、日本食レストランの軒数は世界全体で30%増加。中国では5年間で約2倍に増え、店舗数は2万店を超えています。日本食レストランが多いのは上海、次いで北京、広州、深圳といった大都市が中心となっています。

また、2015年のビザ発給の大幅緩和によって中国人の日本旅行者が急増したことも理由のひとつにあげられます。「本場で味わった日本食や日本酒を中国でも楽しみたい」というニーズが高まった結果といえるでしょう。

今や日本食はレストランで提供されるだけでなく、家庭内でも供されるようになっています。油をあまり使わないことが中国で高まっている健康志向とも合致しており、食生活の一部に受け入れられつつあるともいわれています。

こうして日本食が浸透するにつれ、日本酒も一緒に広がっていくという構図ができており、これからますます消費量は増加すると考えられています。

中国で日本酒づくりに成功した「中谷酒造」の取り組み

中国内でよく見かける日本酒に「朝香」という銘柄があります。これは、奈良県の中谷酒造が中国・天津で現地製造しているもので、20年の歴史があります。北京、上海、広州など主要都市に営業拠点を構え、米と米麹だけを使った純米酒を主に、吟醸・大吟醸・にごり酒など複数の種類を展開。日本食レストランに良質な日本酒を提供しています。

中谷酒造が中国での現地製造に着手したのは、日本と同じジャポニカ米を栽培する地域があったことや米価が安いことに加え、人件費も安かったことが相まって、いち早く中国に進出を決めています。

日本にいる従業員は5名、中国の天津中谷酒造有限公司の正社員は50名と、中国を中心とした事業展開です。繊細な酒造りにおいて中国内で安定した品質を実現するため、日本製マシンを導入し、品質管理を数値化することで対応しているといいます。

たとえば、米の蒸し上がりを一定にするのは吸水試験で出された数値を徹底。米の水分含有量を測定することで給水時間を計算し、その後も計算された圧力の蒸気で、決められた時間だけ米を蒸すといったような徹底したマニュアル化で、高品質を維持しています。

これらの取り組みにより、「朝香」ブランドは中国の日本食レストランには欠かせない存在といわれるまでに成長し、中国人が本物の日本酒の味わいを知るきっかけにもなっています。

日本食とともに世界に広がる日本酒市場

日本食ブームの背景には、訪日観光客の増加と世界的な健康志向の高まりという2つの要素があげられます。日本食とともに味わう日本酒という位置付けで、今後も日本酒を愛飲する層の増加が期待されています。中国での消費拡大は、日本酒市場において大きなビジネスチャンスになるといえるでしょう。

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