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(メディア掲載)業界紙「ユーストカー12月号」で本日掲載

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2018年12月10日 09:57   3

業界最大誌「ユーストカー12月号」で外国人整備人材について掲載されました。「外国人整備人材とどう向き合うのか?」ということで記事を書きました。

最後のコラムとなる今回は、自動車整備会社が活用できる3つの外国人整備人材をまとめて見てみたい。自動車整備会社での外国人の採用がスタートした。これから各社の焦点が採用から育成へと移っていている。そのような中、我々クルマ屋はこれから外国人とどう向き合うのか?をしっかりと考えていく必要がある。

◆ 外国人整備人材、3つの受け入れ方法

整備職種として、外国人を受け入れるには大きく3つの方法がある。1つ目の受け入れ方法は外国人の「技能実習」の制度を活用することだ。技能実習制度の研修ビザの形で、技能・技術・知識を習得するため、ある一定期間の整備工場で研修(労働)を行える。

2016年4月1日より外国人技能実習生制度において「自動車整備」が職種に追加された。これによって外国人技能実習生が自動車整備の研修生として日本企業で働くことができるようになった。そのため自動車整備会社で最も知られた活用方法となっている。2017年の年末ごろから、ベトナムやフィリピンからの技能実習生が自動車整備の研修生として日本の自動車整備会社で働き始めた。しかしながら、本質的にはこの技能実習は就労ではなく研修であることを強調しておきたい。

2つ目3つ目の受け入れ方法は共に、労働者の資格を法的に認められた就労ビザを取得する方法となる。誤解を恐れずに違いをいえば、元留学生として日本に来ていたか否か、という区別になる。つまり大きくは、就業系と研修系に別れることになる。

学歴で言えば、就業系は大学卒業もしくは専門学校卒業(日本の専門学校に限る)となり、技能実習は一般的に高校卒業程度となる。ビザの種類は、すでに説明するまでもないが、就業ビザと研修ビザという違いがある。受け入れ人数・期間に制限がない就業系に比べて、研修系は制限がある。

(図) 就業系(スカイブルー/元留学生)と研修系(技能実習)の違い

話を戻すと、2つ目の受け入れ方法による外国人整備人材は、一般的に日本へ留学し最初、日本語学校に通う。日本語学校を卒業した後、日本で自動車専門学校に入学し自動車整備関連の技術を学んだ学生となる。

全国自動車大学校・整備専門学校協会(JAMCA)が行ったアンケート調査によれば、7割の学校が留学生を受け入れている。自動車整備士専門学校に通う若いベトナム人留学生は「ベトナムの整備学校を出て整備の会社で働いていたけれど、日本の自動車整備の技術は高いので、もっと勉強したくて日本にきました」と語る。さらに「日本の整備士資格に魅力を感じている学生」が全体の半分近くを占めた。今後、日本で整備エンジニアを目指す留学生は増える可能性が高い。

3つ目の受け入れ方法による外国人整備人材は、アセアンの各国の理工系大学(自動車学部、機械学部、工学部など)を卒業し、自国で日本語を学んだエンジニアとなる。雇用前は日本にはいないため、日本にある受け入れ企業との雇用が確認できた後に、就労ビザの申請を行う。就労ビザの取得ができた後、日本へ入国し就業開始となる。彼らのことを「スカイブルー」と称し、今後の日本の整備業界で活躍する外国人整備人材の中でも重要なエリート外国人だと考えている。スカイブルーを日本で本採用する前に、彼らが現地の大学に在学中にインターンシップ(6ヶ月)で日本に呼び寄せるプログラムも存在する。

◆ 外国人を受け入れた後のサポート

カーコンビニ倶楽部(林社長、東京都港区)では、受け入れ後のサポートはFCサポート部が行なっている。実習生事業部の責任者である花形氏は「FCサポート部の日本人スタッフは皆、タイ経験者です。彼らは加盟店の中で『タイ人を教える人を教えています』」という。例えば、「言葉の壁に関しては、鈑金塗装は作業を見ることである程度理解できます。また、イラストなどを活用した筆談も有効です。加盟店ごとにこのような工夫は変わりますが、直営店が経験した成功体験を伝えています」(花形氏)。また、タイ人はプライドが高い。人前で怒られる事を嫌い、なかなか謝ろうとしない。FCサポート部のスタッフは「彼らを寛容に受け入れる必要がありますし、何か起こっても我々が責任を持つ必要があります。そもそも国が違えば商習慣が違うのは当たり前だし、日本の価値観を押し付けても絶対に話を聞いてくれません。タイ人を理解し、どのようにすれば伝わるかを考えるのは我々の責任。彼らを理解し大事にすることが大切です。言葉はなくても思いは通じる」ということを伝えている。

彌生ヂーゼル工業(細田健社長、東京都江戸川区)では、2017年10月から3人のベトナム人技能実習生を受け入れ、彼らは3人で共同生活をしている。トレーニングは現場でのOJTによる実務研修を行なっている。細田社長は「言葉の壁はまだ乗り越えていない、わかりやすいようにゆっくり話をしても、全部はわからないためより高度な業務を指導できない」というように日本語を習得するには時間がかかる。定期的に日本の作文を書いて日本語習得の向上を目指す。

細田社長は「意欲は高いため、会話能力が上がると技術レベルも一気に上がる。鈑金塗装であれば日本語の会話能力を重視しなくても良いと思うが、整備をさせるのであれば日本語の会話能力は重要だ」と教育のやり方に焦点が移ってきている。現在、彌生ヂーゼル工業では、日本語能力の高い人材としてベトナムの理工系大学(自動車学部)のインターンシップ受け入れを検討している。これは(株)アセアンカービジネスキャリアが行う雇用促進プログラムで、インターンとして半年間受け入れ、卒業後の正規採用につなげるのが目的だ。「単なる通訳ではなく、心のケアを期待している」(細田社長)。

「優秀な外国人を採用しても、受け入れ側の体制が整っていないと、うまく人材の活用はできない。入社後の育成が重要だ。」と話すのは、日本企業へ異文化マネジメント教育などを手がけるダイバーシティマネジメント研究所の河谷氏。採用から育成へ、各社それぞれの教育方法や外国人定着の方策などを講じていく必要がありそうだ。

外国人整備人材を単なる「人手」として考えるのではなく、彼らがいずれ母国で活躍できるようなキャリアアップを支援することが受け入れ企業には求められている。

◆これから我々は外国人とどう向き合うか?

外国人労働者は、安い労働力として活用できると言うイメージが先行していた。しかし、自動車整備業界の中でも、外国人を安い労働者としてではなく共存できる戦力として考える必要があるだろう。同じ釜の飯を食べ、信頼関係を構築しておくことが重要だ。そうすることで、数年後に彼らが母国に帰国した後もビジネスパートナーとして繋がれる。短期的な人材不足における労働者とみなすのではなく、長期的な視野で信頼関係を築きパートナーとして外国人整備人材を受け入れていくと言う考え方、仕組みを目指すことが受け入れ企業にとって大切になる。

日本の会社では「社内に外国人労働者を受け入れるべきか否か」という議論がなされている。しかしそこには大きな問題が隠れている。つまり「門戸を開けば外国人はきてくれる」という前提での議論だということだ。今一度考えて見てほしい。外国人労働者は本当に日本で働きたいと望んでいるのだろうか?

私が本コラムを書いている理由は、誤解を恐れずに言えば一つの警告でもある。安くて都合の良い外国人労働者として活用をしているのであれば、将来痛い目を見ることになる。すでに優秀な外国人を雇用するには「選ぶ」ではなく「口説く」という姿勢が必要だ。「もう日本では働きたくない」と本気で外国人労働者が日本に背を向けるようになる前に我々は真剣に彼らとの共存を考える必要がある。社会・会社の一員として、共に生きる仲間として、迎え入れる覚悟が必要な時期にきている。

日本で働く外国人約130万人、その人たちの思いに自動車整備会社で働く日本人たちが答えられるのか、それが未来に向け、共生社会を実現できる第一歩を踏み出す鍵となる。

<川崎大輔 プロフィール>
「アセアンビジネスに関わって20年が経とうとしています。アセアン各国で駐在後、日本に帰国して大手中古車企業にて海外事業部の立上げに従事。現在、アセアンプラスコンサルティングを立ち上げアセアン進出に進出をしたい自動車アフター企業様のご支援をさせていただいています。また、アセアン人材を日本企業に紹介する会社アセアンカービジネスキャリアも立ち上げ、ASEANと日本の架け橋を作ることを目指しています。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

https://ameblo.jp/kawadai1/entry-12424947881.html

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