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アリババ株式会社の海外展開ブログ


最初の「座組み」が、肝心になる!(一般財団法人沖縄県セルプセンター)

ノウハウ

2018年12月13日 08:51   5

パッションフルーツバター、練島唐辛子……。どちらも手のひらにすっぽりと収まって隠れてしまうほど、ごくごく小さな瓶に入っています。

とても小さい、そして値段は高い。前者は内容量わずか40グラムで604円。後者は30グラムで702円もします。

さらに……商品名からもう想像がつくかと思いますが、これらは沖縄の土産商品なんです。なのに、よくあるような「真っ青な空」「真っ赤なハイビスカス」といった派手なパッケージデザインではない。
白にベージュというアースカラーの配色に徹したパッケージです。

そして言うまでもない話ですが、口にして美味しい。小さなサイズですから、親しい友人に土産として気軽に渡せもします。

これ、「琉Q(ルキュー)」というシリーズ商品で、2012年にプロジェクトがスタート。那覇空港の売店でも取り扱われているなど、流通系企業からの引き合いが相次ぎ、しばしば品切れ状態を起こしています。

「琉Q」については、私、3つの「常識破り」があると感じています。

①福祉と広告業界の協業
②官と民の息があった事業
③一見、沖縄では珍しいパッケージ(これは先ほどお伝えしましたね)

そうなんです。この「琉Q」は、沖縄における官民連携、それも福祉発の商品開発プロジェクトです。沖縄県の外郭団体で、県内の福祉施設を取りまとめている、沖縄県セルプセンターが発売元となっています。

いまや、福祉施設が売る商品には、かつてでは考えられないような洒脱なものが増えてきていて、驚かされます。ただし、個別の福祉施設発のものが多く、この「琉Q」のように複数の施設を束ねて進められるプロジェクトは、まださほど見られない。

「琉Q」のプロジェクトの取材から、私はいくつもの学びを得ました。

福祉発なのに、なぜ高い?

プロジェクトは、沖縄県セルプセンターに勤める、ひとりの女性職員の疑問から始まったといいます。

「福祉施設が販売する商品は、これでいいのか」

クッキー、あるいは石鹸など……家庭で作ってしまえるようなものの延長にしかない商品が残念ながら多かった。福祉施設は商品づくりのプロではありませんから、どうしても強い発想が生まれづらいわけです。

でも、それではせっかく商品を作っても売れません。

売れないとどんな問題が生じるか。福祉施設がつくる商品には、施設の利用者(障がい者の方など)が作業の訓練をなせるという意味、そして、その利用者に作業料を支払う原資を得るという意味があります。
ただし、ものが売れなかったら、利用者の励みにもならないし、作業量も確保できなくなります。

ならば、どうするか。

消費者が欲しいと感じるような、魅力にあふれた商品をつくるしかない。売れれば、施設の利用者のモチベーションも上昇します。
しかしそれを果たすには、沖縄県セルプセンターだけの力では難しい。

沖縄県セルプセンターは、地元の広告会社である沖縄広告に協力を求めます。そして、その目標を、こう据えました。福祉施設単体でつくるのではなく、地域の施設共通の統一ブランド化をなして、複数の施設が参画できるようにする……。

1つの原則と、3つのルールを決めた

もともと広告会社というのは、福祉の世界に詳しいとは限りません。

沖縄広告の担当者は、まず、福祉の勉強を重ねたといいます。そして、1つの原則を決めました。

「商品の価格は、高く設定する」

それはなぜか。
商品の中身は食のプロにつくってもらう一方で、施設の利用者がラベル付けなどのパッケージングの作業に携わるわけですが、そうした利用者に支払う作業料をしっかりと確保するには、商品の価格を高めに設定せねば、という話です。

福祉発の商品である限り、そこは何をおいても外せない。

次に、具体的な商品開発のうえで、沖縄広告は3つのルールを定めました。
まず、沖縄産のものを使うこと。次に、できるだけ無添加でつくること。
最後は、日常を逸脱しないこと。

3つ目の項目がうまいなあ、と私は思いました。

話題性狙いで何か奇抜なものをつくっても、消費者はそうした浅ましさを見抜きます。だったら、消費者の日常のなかにすんなりと溶け込む商品をものにして、じわじわとリピート買いへと誘うほうが賢明、ということですね。
この3つ目の項目は、商品ラインナップを考えるうえで、大きな指針になったようです。

パッケージをあえて地味に思えるようなデザインにしたのは、どうしてなのでしょう。

「沖縄って、本当は“くもりの島”なんですよ」

地元の人は、青い空、真っ赤なハイビスカスばかりを見ているわけではない。
いや、むしろくもった空の日が少なくないらしい。そうした“本当の沖縄の景色”をパッケージにこめたくて、アースカラーに徹するデザインを採用したのだそうです。

迷いはなかったんでしょうか。

「ぐっと、こらえたところはありますね」

赤いハイビスカスを配して、やっぱり派手なデザインにしようか、とは、広告会社だけに何度も思ったとのこと。商品の視認性も高まりますしね。

でもそのたびに「踏みとどまりました」。それをやってしまっては、「本当の沖縄を表現する」「日常のなかに溶け込ませる」という、最初に考えたコンセプトから外れてしまうからです。

それにもうひとつ。福祉の世界からの商品だからこそ、デザインの視点が必要、という判断もあった。
沖縄を旅する消費者が「何、これ?」と立ち止まってくれる意外性こそが、商品の売り上げに結びつきます。そのことで、福祉施設の利用者に支払う作業料も賄えるわけですから。

「座組み」とは、3つの約束

もともと広告会社というのは、福祉の世界に詳しいとは限りません。

沖縄広告の担当者は、まず、福祉の勉強を重ねたといいます。そして、1つの原則を決めました。

「商品の価格は、高く設定する」

それはなぜか。
商品の中身は食のプロにつくってもらう一方で、施設の利用者がラベル付けなどのパッケージングの作業に携わるわけですが、そうした利用者に支払う作業料をしっかりと確保するには、商品の価格を高めに設定せねば、という話です。

福祉発の商品である限り、そこは何をおいても外せない。

次に、具体的な商品開発のうえで、沖縄広告は3つのルールを定めました。
まず、沖縄産のものを使うこと。次に、できるだけ無添加でつくること。
最後は、日常を逸脱しないこと。

3つ目の項目がうまいなあ、と私は思いました。

話題性狙いで何か奇抜なものをつくっても、消費者はそうした浅ましさを見抜きます。だったら、消費者の日常のなかにすんなりと溶け込む商品をものにして、じわじわとリピート買いへと誘うほうが賢明、ということですね。
この3つ目の項目は、商品ラインナップを考えるうえで、大きな指針になったようです。

パッケージをあえて地味に思えるようなデザインにしたのは、どうしてなのでしょう。

「沖縄って、本当は“くもりの島”なんですよ」

地元の人は、青い空、真っ赤なハイビスカスばかりを見ているわけではない。
いや、むしろくもった空の日が少なくないらしい。そうした“本当の沖縄の景色”をパッケージにこめたくて、アースカラーに徹するデザインを採用したのだそうです。

迷いはなかったんでしょうか。

「ぐっと、こらえたところはありますね」

赤いハイビスカスを配して、やっぱり派手なデザインにしようか、とは、広告会社だけに何度も思ったとのこと。商品の視認性も高まりますしね。

でもそのたびに「踏みとどまりました」。それをやってしまっては、「本当の沖縄を表現する」「日常のなかに溶け込ませる」という、最初に考えたコンセプトから外れてしまうからです。

それにもうひとつ。福祉の世界からの商品だからこそ、デザインの視点が必要、という判断もあった。
沖縄を旅する消費者が「何、これ?」と立ち止まってくれる意外性こそが、商品の売り上げに結びつきます。そのことで、福祉施設の利用者に支払う作業料も賄えるわけですから。

「座組み」とは、3つの約束

沖縄広告の担当者はいいます。

「こうした商品って、沖縄には今までなかったんです」

青い空、赤いハイビスカスといった、よくあるデザインを用いなくても、沖縄を表現できたこと。そしてなにより、福祉の世界に新たなビジネスモデルを採用できたこと。

福祉施設の利用者にも、張り合いが生まれました。
ただ単に、作業料をきちんともらえるというだけではなくて、空港で売られている商品に関われた、こんなに洒脱な商品のパッケージング作業に携われた、という嬉しさもそこにはありました。

座組みをきちんとなしたことで、民間事業者は行政からハシゴを外される不安を払拭でき、福祉施設の利用者や職員の意欲は高まり、そして県の外郭団体はひとつの新しいモデルを創出できた。
一般消費者にしてみれば、これまでにない魅力を感じる沖縄土産を手に取れる。

いいことづくめじゃないですか。

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