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アリババ株式会社の海外展開ブログ


あれこれ手を広げない、やることを絞る(一点集中)

ノウハウ

2018年12月27日 08:28   5

ライザップの2019年3月期決算予想が大幅赤字に転落しましたね。原因は買収した会社の再建失敗で大赤字です。
同社はこれまで、ゲームやCDチェーン、ジーンズショップ、タウン誌、住宅会社など、この5年でなんと60社以上もの企業を買収し、しかもその大半が本業に関係ない業種ばかりで、力が分散したんですね。まさに一点集中の真逆です。

実はこの中に私の知人社長が経営する会社も含まれています。もう何年も赤字の構造不況業種です。
だからライザップに買収されて子会社になったというニュースを見て、安堵しました。ところがここも再建難航して赤字のお荷物になってしまいました。

「非関連の多角化や商品の幅を広げ過ぎると戦力が分散する。弱者は商品の幅を狭くして、強い商品により集中せよ」という竹田陽一や、ドラッカーや元GE会長ジャック・ウエルチが提唱する業界1-2位以外の事業は捨てる「選択と集中」は普遍の原理原則ですね。

あなたが捨てるべき仕事は何ですか?

「人には無限の可能性がある。でも、たった一つしか選べない」

これは26歳で脱サラして一人でバーを開業し、2017年に60代で株式公開して東証一部企業になったラーメン一風堂の河原会長の言葉です。

私が河原さんと出逢った25年前、河原さんはラーメン数店舗だけでなく、焼肉、居酒屋、たこ焼きなどの飲食だけでなく、パソコンスクールや業務用浄水器販売までやっていました。
年商は10億ぐらいでしたでしょうか?ゼロからの独立起業としてはとりあえず成功ですね。いろんなお店を経営していて凄いと思いました。

ところが会社全体では赤字で、当時の河原さんは自分の「天職」がわからず、アレコレ手を出して模索中だったそう。

転機はテレビ東京が主催した「ラーメン職人チャンピオン」で優勝し、日本一になったことです。

「司会は芸能人でバラエティ番組の延長でしたが、素直に嬉しかった。応援してくれた人も大喜びで、一人一人にありがとうございます!ありがとうございます!って頭下げて言っている時、天啓を受けた。ラーメンだ!オレの天職はラーメンなんだ!美味しいラーメンと接客でお客さんに喜んでいただき、ありがとうを集めること。ラーメンがありがとうだ!ありがとう!がオレの天職だ!」

と44歳で開眼。

その直後には、ラーメン以外の店や事業は全て閉店、譲渡しました。ラーメンに一点集中してから快進撃が始まり、今や欧米やアジアにも進出をし、この20年で名実とも「世界の一風堂」へ進化しました。

この成功体験で生まれたのが、

「人には無限の可能性がある。でもたった一つしか選べない」

という言葉です。

どんな天才でも、サッカーと野球の両方でプロ選手はいませんね。
趣味や遊びなら何やってもいいですが、ライバルとの競争に勝たねば食えないプロスポーツやビジネスでは、一種目一業種に一点集中が必須です。特に何かで1位を目指すなら尚更です。

その一風堂最大のライバルが同じ福岡本社の一蘭です。売上はほぼ同じ年商220億。
一蘭は未上場なので私の推測ですが、おそらく営業利益は一風堂の2倍以上だと思います。理由は人件費の安さ。個室風の仕切りが独特ですが、それが接客不要の単純作業を可能にし、その結果人件費を安く抑えることができています。
さらにメニューはトンコツ味に一点集中をし、醤油や味噌など多彩なメニューの一風堂との差別化を図っています。


一蘭ではとんこつラーメンのみを提供

あなたの天職は何ですか?

【事例】のぼり製作会社「エンドライン」

福岡と東京で「のぼり」や看板を製作販売するエンドラインは、年商2億弱の黒字経営です。社長の山本啓一氏はお笑い芸人を挫折してのぼり会社の営業マンに転向、その数年後には独立してスグに年商1億の黒字経営を実現させたという、異色の経歴の持ち主です。
しかし、黒字経営をずっと続けて来れたのかというとそうではありません。年商1億に到達して間も無く「のぼり屋で終わりたくない」と広告代理業務全般にも手を広げ、ネットコンサルやセミナー講師、経営講演会も主催しました。挙げ句の果てにはうどん屋までオープンした結果、経営は火の車となりました。

その後数年間、右往左往した末にのぼり屋に原点回帰し、一点集中を試みます。そしてようやく経営も黒字経営に転換し、小さな優良企業として地場マスコミからの取材を受けるまでに成長しました。

【事例】ロゴマーク専門デザイン会社「デザイングレイス」

福岡にあるロゴマーク専門のデザイン会社、デザイングレイスの根本さんは、印刷会社からフリーの広告デザイナーとして起業しました。
チラシもパンフレットも看板も、広告や印刷物のデザインなら何でもやります!とデビューするも食べていけず、結局は元の勤務先の下請け業者に成り下がり、土日はアルバイトをしないと生活できなかったそう。

しかしある時、バイト先の社長から「根本さん、デザイナーならうちのロゴマーク作ってよ」と相談を受け、早速社長の思いをヒヤリングして制作納入をすると、「スゴい!オレの思いが形になっている!根本さんは天才だ!」と言われて大感激します。

これを機に、事業を「ロゴマークに一点集中」して、自社の名刺もチラシもサイトも「ロゴマーク専門デザイン会社」とアピールしました。
すると、この時点で地場オンリーワンの存在になり、知名度や口コミ紹介も増加の一途をたどりました。

私自身もかつて広告代理店を自営でやり、同じように悩んでいたので、エンドラインとデザイングレイスの迷いや、一点集中で小さな1位になり、成功して行く過程を興味深く傍観していました。

広告屋も印刷屋もデザイン屋も「販促ツールなら何でもやります!」と言うんですね。昔も今も変わらず、それも大半が1-10名以下の零細にもかかわらずです。
結果として同業他社との「差別化」も「小さな1位」もないので不毛の価格競争に巻き込まれるのです。これは多くの業界もほぼ同じですね。

当たり前ですが、どの業界も競争過多だと価格競争で儲からない。競争を避けて利益を出すためには、強い同業他社と「商品・地域・客層」を「差別化」し、さらに自社の利益が増える「小さな1位」を作るには、「商品・地域・客層」で同業他社に勝てる部分に「一点集中」するしかない。

と、言うは易し行うは難し。理想はライバルがいないブルーオーシャン市場でやることでしょう。
この「ブルーオーシャン戦略」と競争理論の「ランチェスター戦略」を忠実に具現化し、小さく成功中の税理士事務所が福岡にあります。

【事例】税理士法人「阿比留会計事務所」

阿比留会計事務所の阿比留さんは、大手監査法人と福岡銀行を経た29歳の時、企業再生コンサルと公認会計士で独立します。
当初は銀行の紹介案件で生計を立てていましたが、リーマンショックで仕事が激減したことがきっかけで、毎月の会計顧問業務がメインで継続安定的な税理士業務への転身を考えました。

福岡市内は税理士激戦区で「商品・地域・客層」の差別化は必須です。調査の結果、市場はあるが先輩税理士がやりたがらない客層は美容室と飲食業と判明しました。
その大半が法人ではない、年商2-3000万円以下の個人事業主で、月に3-4万円の会計顧問料が払えない店舗も多かったのです。

ならば2万円で提供できる会計サービス商品を提供できないか?人件費が高い正社員の仕事を減らし、低コストのパートで廻しているコンビニやマクドナルドの様な分業・マニュアル化が税理士事務所で出来ないか?と考えました。
そこで、父親が経営する税理士事務所でベテラン会計士の作業をビデオ撮影することにしました。作業を録画しその作業を分解することで、素人パートでもできるように分業・マニュアル・仕組み化に成功しました。

さらにコストの高い所長の自分は「お客と会わない・会計業務も最低限のことしかしない・決算も別料金を取らない・現場の顧客回りは全てパート」という様にし、同業税理士の半額というキラー商品が出来あがったのです。

さらに開業する美容師と飲食店は必ず店舗探しで不動産屋を訪れるので、店舗系不動産会社と提携しました。
開業に際し、ほぼ全員が開業資金約700万の融資が必要になるのですが、美容師も飲食料理人のほとんどが数字や書類作成が大の苦手なこと多いため、融資申込み経営計画書を阿比留所長が作成を代行しました。ここが同業にない強みです。

こうして「客層」は美容室と飲食店に、「地域」も徒歩や自転車で10分圏内、提供する「商品」は月2万円のみ別途決算費もない廉価サービスに一点集中をしました。

その結果、職員数名で年商5000万円という、同業の約2倍の業績を出すことに成功。その成功ノウハウをパッケージ化して、福岡以外の同業事務所120社あまりへ販売代理店を通じて販売導入されました。

あなたが一点集中すべき「商品」「地域」「客層」は何ですか?

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