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アリババ株式会社の海外展開ブログ


次世代のモノの売り方?ライブコマースに中小企業の参入メリットはあるか

ノウハウ

2019年2月25日 14:31   5

2,3年ほど前からあらゆる動画配信サービスが世界中で広がり人気を集めています。

「2017年日本の中高生が将来なりたい職業ランキング」でYouTuberが上位に入ったことが多くのメディアで注目されました。日本市場シェアトップになった台湾発の「17 Live」や、中国で最大のユーザー数を誇るTikTokも若年層を中心に人気になっています。

InstagramやFacebookといったSNSも動画機能を追加しており、世界中で「動画」需要が高くなったと言っていいでしょう。そんな中、BtoCのEコマース市場でも動画を取り入れる動きが高まり、ライブコマースサービスが続々とローンチ、大手ECプラットフォームを持つアリババや楽天、ヤフーなどもライブコマースサービスを導入し、市場を拡大する起爆剤として期待されています。
消費者のモノの買い方、選び方が変化し続ける時代、小規模なメーカー、小売でもライブコマースに参入するメリットはあるのでしょうか?

ライブコマースとは

Eコマースとライブ動画を掛け合わせた販売手法のことをいいます。オンラインで消費者とコミュニケーションを取りながら商品の魅力を伝えるサービスです。活用することで、商品の認知度や購入意向を高めることが期待できます。

2018年7月にMarkeZineが行ったライブコマースについての調査によると、ライブコマースを知っている人の中で配信を視聴したことのある割合は女性に比べて男性のほうが高く、視聴から購入に至るケースも男性の方が多いことがわかりました。購入する商品は衣料品が最も多く、その他にもアクセサリーや家電も多く購入されているそうです。

特徴、メリット(通常の通販との違い)

ライブコマースの最大の特徴は、リアルタイム動画であることと消費者とコミュニケーションを取れることです。リアルタイム動画では、文字や画像では伝えきれない商品の情報や魅力を消費者に伝えることができます。また、消費者はその時感じた商品に関する疑問を、コメントを通じてリアルタイムに投げかけることができます。コミュニケーションを通じて消費者からの疑問を解決したり、提案型の販売をすることも可能です。

MarkeZineの調査によると、ライブコマースを利用する理由としてあげられたのは

  ・出品者が紹介する商品を買いたい
  ・商品の詳細がリアルタイムで質問できる
  ・ショップ店員と話すように買い物ができる
  ・買いたいと思った瞬間に簡単に購入できる
  ・出品者とのコミュニケーションが楽しい

というものでした。
出品者とコミュニケーションを取れることは消費者の安心につながり、疑問をすぐに解消できることは満足度に繋がっているようです。

アパレルブランドでは、ショップ店員によるアイテムの紹介や着こなし方、肌触りや生地の厚さなど、商品画像だけでは伝わらなかった部分をアピールしています。店舗では聞きづらいというようなことも、ネットでのコメントならできるという消費者も多く、販売促進に役立たせています。また、Instagramが提供するインスタライブでは、ライブ動画はライブ配信中だでなく、後に動画として投稿されるため、多くの人に見てもらえる可能性が高まります。

デメリット

ライブコマースのデメリットは、ライブであるためにその時間に集客しなくては意味がないということです。動画と違い、残るものではないことや、初めから終わりまで視聴してもらわないと魅力を伝えきれないこともあります。配信準備や告知等、ライブコマースに向けた施策も必要になるでしょう。

動画プラットフォーム自体もさまざまなものが登場しましたが、1年ほどで撤退してしまったサービスもあります。PinQulはライブコマースのプラットフォームとして委託販売を行うためのサービスでした。しかし、業務の最適化を推し進めた結果、自社のブランドを売るアパレルブランドとなってしまったことがサービスを終了させた経緯ということでした。また、Laffyというサービスはユーザー数が集まらず、継続が困難だったことからサービスを終了したようです。

ライブコマースの種類とサービス紹介

ライブコマースサービスの多くはアプリで提供されています。アプリ型サービスはプラットフォームタイプとセレクトショップタイプの2種類があります。

プラットフォームタイプでは法人が出店できる機能を提供し、個人やショップが出店して販売します。出店者はプラットフォーム側へ販売手数料を支払い自らライブ配信を行います。

セレクトショップタイプは、委託業務です。メーカーから委託を受けた商品をプラットフォーム側が配信者を起用し販売します。

ライブコマースは集客が命ですから、両タイプとも視聴者を多く呼び込むことのできる、有名なタレントやインフルエンサーを配信者として起用しています。

・メルカリチャンネル(CtoC、プラットフォーム)
同サービスはフリマアプリ「メルカリ」が提供しているサービスの一つです。主婦層が主なユーザーとなっており、有名人や一般人がアパレルや食品など幅広い商品を販売しています。

・CHECK(BtoC、セレクトショップ)

同サービスはKDDIとエブリーが共同で提供しているサービスで、タレントが毎日配信を行なっています。ユーザー層は若者から50代までと幅広く、日用品や便利グッズなどを販売しています。

海外のライブコマース

ライブコマースは中国・台湾・タイといった中華圏に成功例があり、その後日本に広まりました。
中国ではEコマース市場は天猫(アリババ)と京東(JD.com)が80%以上のシェアを占めており、ライブコマースもこの2サービスを中心に2016年ごろから高い人気を誇っています。中には1配信で数億円を売り上げるケースもあり、配信と売上の規模が大きいことがわかります。

中国でライブコマースが流行った背景には、配信者(販売者)が顔出しで配信を行っていたり、コミュニケーションが取れるといった透明性があります。中国では偽物が多く消費者がネットショップの商品を信用していないため、透明性の高い販売サービスに需要が高まったと見られます。

中国ライブコマースの特徴はKOL(Key Opinion Leader)が配信していることです。KOLとは販売促進に影響力を持つスペシャリストのことを言います。KOLがPRすることで、「信頼性の獲得」「ブランディング」「商品への付加価値」といった効果があり、中国の他にも台湾や香港でこのKOLマーケティングが主流となっています。
台湾のライブコマースは、Facebook上で配信されています。配信後は別サイトにて商品を購入することができます。全体としてターゲットは主婦層で高価なジュエリーから日用品まで幅広い商品が販売されています。

タイのライブコマースも台湾と同様Facebook上で行われます。タイでは銀行がMessenger上で決済できるサービスを提供しておりライブコマースの決済環境が整っています。また、タイでは中小の小売企業がライブコマースを活用していることが多く、消費者とコミュニケーションを取ることが販売促進に繋がっているようです。

中小企業に参入メリットはあるのか

中華圏では主流となっているライブコマースですが、日本での認知度は若年層以外にはまだまだ低く、発展途上にあります。一方で、日本の利用者の約85%が利用継続意向を示していることから、今後の展開が期待されます。
また、日本の企業が中国人向けに中国語での配信で商品を販売するということも行われています。販売促進や認知度向上、新規顧客開拓といったメリットのあるライブコマースを、今後日本でも小売店や製造業者が積極的に利用するようになるかもしれません。

大企業だけでなく、すでにライブコマースを利用して売上をあげている中小企業もあります。株式会社ネオグラフィックはアパレルの製造・販売を行う会社で、メルカリチャンネルを利用して商品の販売を行っていますが、ライブコマースについて、

  ・消費者とのコミュニケーションで発見がある
  ・設備は必要なく、携帯1つで参入できる
  ・社員のモチベーションが向上した

というメリットをあげています。
特別な設備を必要とせず、直接消費者とコミュニケーションがとれる場を持てるというのは、中小企業にとっても大きなメリットなのではないでしょうか。

さいごに

日本の関連企業数社で構成されるライブコマース推進委員会は、すでにサービスが成熟している韓国や中国でのカンファレンスを予定し、国内市場の活性化を目指しています。日本でもすでにたくさんのユーザーがいるライブコマースサービスはいくつかあり、それぞれに特徴を打ち出しています。

自社の商材にはライブコマースは有効なのか、有効な場合、どのプラットフォームが最適か、どんな配信者に商品を紹介してもらうかなど、各サービスの特長や自社での参入の可能性について考えてみてはいかがでしょうか。

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